駄菓子屋松金 ─マツガネ─



やいのやいのと騒がしい様子を見ながら、カノヤはそう言えば…と思い、麗雨の方を見た。


「何で銀行に居たんですか?何か御用でも有りました?」

「あぁ、大したことじゃないんじゃがねェ」

「?」


麗雨は曖昧にそう答え、上司である紫呉に頭をひっ叩かれてから、まるで容疑者のようにパトカーに乗っていった。

カノヤは首を傾げながら、取材を終えて騒ぎを抜け出した常磐に首根っこを掴まれ、その場を後にした。


その後、店に戻ってテレビを見て驚いた。


『町の隅で駄菓子屋やってまーす。是非庶民の皆さんは来て下さーい』

『また宣伝かよΣΣ!!』


「…………」


映ってる……………



カノヤはまさか自分まで映っているとは思わなかったので、恥ずかしくてテレビをマッハで消した。




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