駄菓子屋松金 ─マツガネ─



「薬物の汚染が広がれば國の治安に関わる。治安が悪なれば王様が危なくなる。結局あのメタボは自分が一番可愛いんじゃけぇ」


鈴カステラを貪りながら麗雨は国王の悪口を言う。

もし他の役人に聞こえでもしたら、彼女はタダでは済まないだろう。


「はっきり言うね………」


それに気付いて、カノヤは冷や汗を流す。

まぁ、彼女自身おとなしく捕まるタマではないのだが。


「…気を付けろよ」

「?」


無意識に常磐は口を開いていた。

麗雨は首を傾げながら、常磐を見返す。


「あ…いや、何があるかもわかんねーし…、油断すんなよって話」

「大丈夫じゃ、カバンに折り畳み鉄ぼっこ仕込んでるし」

「ちょっと物騒Σ!!」


カノヤは彼女の言葉にツッコミを入れる。

しかし、彼女は強い。

学生程度が束になって襲い掛かってきても、簡単に蹴散らすだろう。





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