【番外編】苺みるくの秘密
「どうして? 美結が入っちゃ行けない決まりでもあるの?」
ああ、君はどうしてそう偉そうなんだろう。
まるで猫がご主人様に甘えるような猫なで声で君は喋る。
ついこないだまでは耳障りであったハズの声が今は近くにある。
「決まりって、桜井は部員でもなんでもないだろ? だいたいここは僕の部屋のようなモノな……」
「じゃあ美結、部員になるわ」
僕の席に座って、髪をいじって、なにを言うのかと思えばそんな冗談、ほんとに勘弁してよね。
「はっ。なに言ってるわけ?」
「……じゃあいいわよ、もう」
僕が鼻で笑うとふてくされた顔をして、写真を納めてるファイルをパラパラ捲った。
……いったいなんなんだ?
「ねぇ、これなぁに?」
ああ最悪だ。
桜井が指さしたのは、こないだ僕が撮った桜井の写真だった。