【番外編】苺みるくの秘密


「どうして? 美結が入っちゃ行けない決まりでもあるの?」


ああ、君はどうしてそう偉そうなんだろう。

まるで猫がご主人様に甘えるような猫なで声で君は喋る。

ついこないだまでは耳障りであったハズの声が今は近くにある。



「決まりって、桜井は部員でもなんでもないだろ? だいたいここは僕の部屋のようなモノな……」

「じゃあ美結、部員になるわ」


僕の席に座って、髪をいじって、なにを言うのかと思えばそんな冗談、ほんとに勘弁してよね。



「はっ。なに言ってるわけ?」

「……じゃあいいわよ、もう」


僕が鼻で笑うとふてくされた顔をして、写真を納めてるファイルをパラパラ捲った。

……いったいなんなんだ?



「ねぇ、これなぁに?」


ああ最悪だ。

桜井が指さしたのは、こないだ僕が撮った桜井の写真だった。

 

< 105 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop