【番外編】苺みるくの秘密
まさか僕が桜井の泣き顔を撮ったなんて知らないわけで、見られたくなかった。
こないだ白状しろって言われた時は誤魔化したけど、今はそうはいかないだろう。
「勝手に見ないでくれる?」
「どうして美結が写ってるの? やっぱりアナタ、あの時美結を撮ったんでしょっ?」
立ち上がった桜井は僕に詰め寄って来た。
その大きな瞳で僕を捉える。
「撮ったって言ったら?」
僕はなんとか誤魔化すために桜井の髪の毛に手を伸ばし、もて遊ぶように触れた。
「触らないでよ! それに誤魔化さないで!」
「触らないで? 桜井の髪が綺麗だからいけないんだろう?」
桜井は顔を赤らめて僕を睨んだ。
睨んでるクセに、お得意の上目遣いで僕を見上げる。
その顔、僕にはたまらない。
だから、もっと見せてよ?