【番外編】苺みるくの秘密
「撮ったでしょ!」
「撮ってないって言ってるだろ」
僕に詰め寄る桜井から女の子のいい匂いがした。
ちょっと惑わされそうになる。
「うわっ……」
そこに現れたのは。
「あ、凡人」
「あ、先輩」
先輩はあからさまに嫌な顔をして僕と桜井を見る。
まあ、僕らは先輩に散々酷いことをした同士だから仕方ないんだけど。
「美結ちゃん、涼くん……」
顔をひきつらせる先輩。
「先輩〜〜! この人なんとかしてくださいよぉ」
先輩の腕にピッタリくっついた。
「ちょ……」
「この人、美結のこと盗み撮りしたんですぅ」
人聞きの悪いこと言わないでほしいな。
助けてやったのは僕なんだから。
「だから、僕は撮ってない」
「涼くん、ほんとに撮ってないの?」
先輩まで勘弁してよね……とは言えなかった。
だって、ほんとは嘘をついてるのは僕の方だから。