【番外編】苺みるくの秘密


――ダンッ!

壁に押し付けて、自由を奪う。



「なんの仕返し? 見せつけるみたいにしてさ。わざとらしいんだけど?」


桜井は酷く驚いていた。



「アナタがいけないんじゃない! 美結は悪くない……」

「だからなんの話? 僕が桜井になにしたわけ?」


グロスの塗られた唇を噛んで眉根を寄せる。



「……他の女の写真撮って集めてたじゃないの! 気に入らないから仕返しのつもりでしたのよ!」


僕に手首を抑えつけられても強気な態度だ。

人の話聞かないで昨日勝手に部室を飛び出したのは君の方だろ。

それで仕返しなんて随分酷いんじゃない?



「それ、ヤキモチ?」

「そうよ! ヤキモチよ! 文句ある……!?」


てっきり否定するのかと思ったのにあっさり桜井は認めた。

それでさっき男にベタベタ引っ付いてたわけ?

しかもそれでヤキモチ妬かせたつもり?

 

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