【番外編】苺みるくの秘密


首筋をペロリと舐めて、君がいつもやる上目遣いで僕は桜井を見上げるとクスッと笑った。


桜井が泣いていたからだ。



「これでわかっただろう? 僕だって男なんだ」


君が僕を男として見てくれないからいけない。

ムカつくんだ……。

桜井に踊らされてるみたいで。

僕が僕でいられないみたいで。



「……アナタなんて大嫌いよ!」


小刻みに震える桜井の肩。



「僕だって桜井なんか嫌いだよ。それからもう部室には来ないでくれる? 作業の邪魔なんだ……」


桜井の瞳は涙で濡れていた。

その涙もわざとなんだろ?

それとも………。

 

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