【番外編】苺みるくの秘密
邪魔とまで言うことはなかったのかもしれない。
放課後、新聞部に向かいながらふとそう思った。
もうきっと桜井は来ないだろう。
酷いことをしたし邪魔と言ったんだから来るわけないって思った。
だけど部室のドアを開けると何故か桜井が居た。
というか僕の席に座ったまま桜井は眠っていたんだ。
ほんとになんなんだこの女。
「バカ女……」
眠っていることなんて無遠慮に呟いてみせる。
だけど桜井は寝息をたてたまま。
少し開いた窓の隙間から流れてくる風が桜井のハチミツ色の髪を揺らした。
僕は誘われるように桜井の髪の毛に触れる。