【番外編】苺みるくの秘密
「撮るわけがないだろう? こんな女に僕は興味ないんだからね」
「なんですって! 美結だってアンタみたいな童顔に興味ない!」
平常心を保ち嘘を見抜かれないように言った僕に再び詰め寄る桜井の怒った顔が、やっぱり可愛く見えた。
これ以上僕を惑わさないでくれ。
僕らが言い争っている内に先輩は逃げたみたいだ。
「もういいわよ! さよなら!」
桜井はスタスタと歩いて行く。
あーあ、怒っちゃった。
しょうがないなぁ。
足早に廊下を歩く桜井を僕は倍のスピードで追いかける。
「そんな怒るなよ?」
「ついてこないでくれる?」
「ごめんって」
てか、なんで僕が謝らなきゃなんないわけ?
「撮ってないんでしょう? 美結を撮るくらいならバカ女を撮った方がマシなんだもんね……?」