【番外編】苺みるくの秘密
立ち止まって勢いよく振り返った桜井はムキになって僕に言う。
それって、僕が大嫌いだった桜井に言った台詞だ。
そんなこと気にしてたんだなぁ。
どうしよう、可愛いかも。
「白状するよ」
「ふんっ。最初から素直に美結を撮ったって白状すればいいのよ」
桜井の大きなタレ目に微かに笑みを漏らす僕が映っていた。
白状すればいいんだろう?
ほんとはね、不謹慎だけどあの時の君の泣き顔があんまり綺麗だからシャッターを切ったんだ。
……ってことは、まだ内緒にしておこう。
僕は桜井のハチミツ色の長い髪に指を絡める。
女の子の髪ってすごく柔らかい。
「桜井の髪って綺麗だよな」
そう言うと桜井は顔を赤らめた。
白い肌がほんのり赤く染まる。