【番外編】苺みるくの秘密
「朱里さんが千秋と一緒に歩いてる時、ニコニコしてたんだもん」
プイッと顔を横に向けて言うと、千秋が笑う気配がした。
そしてあたしの顔を自分の方に向けて見下ろしてくる。
「んなことかよ? あれはあの女がベラベラ兄貴の話してたからだろ。つか、あんな女どうでもいい」
どうでもいいって……。
あたしは色々誤解していたみたいだけど、やっぱり千秋の余裕の笑みが憎たらしいんだ。
「…離れてよっ」
「無理」
「な……」
「つか、限界かも」
目を細める千秋を押し返そうとしたけどそんな抵抗は通用しない。
「ちょ……」
首筋にキスを落とす千秋。
「ち…千秋……? 下にはみんな居るんだよ……?」
「だから? 関係ねぇよ」
「んんっ……」
すぐに唇を塞がれてしまう。
目を閉じて甘いキスを受け止めるあたしの服にそっと手をかける。