【番外編】苺みるくの秘密


パーティーが終わってみんなが帰った後、家に残ったのは後片付けをする君と朱里だった。


皿を洗う君と、不機嫌な朱里。

会話のない静まりかえる部屋で。


言葉はなくてもオレも君も朱里も互いの気持ちをわかっていただろう。



「どうしていつも邪魔するの?」


先に口を開いたの朱里だった。



「春希が好きなんでしょ!? ユリはいつも春希ばかり見てる!」


君は驚きもせず、まるで朱里に言われるのをわかっていたかのような表情で目を伏せた。



「朱里、やめろよ」

「うるさいわ! 春希は黙っていてよ!」

「黙らないよ」

「春希……」

「ユリにそんな口をきくことは、オレが許さない」


矛盾した言動だった。

この時、どうしてオレがそんなことを言ったのか。

それはもうオレの中で覚悟が決まっていたからだ。



――パシンッ!

オレの頬をひっぱたいた朱里。

 

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