【番外編】苺みるくの秘密
慎ってば危機感がないのよ。
眉間にシワが寄っているのが自分でもわかった。
でもまたヒステリックにならないように気をつけなくちゃ。
「バレる? そんなわけがないだろう?」
落ち着いた口調なクセに自信に溢れる慎は、ペタンと座るあたしの横に移動してきた。
「……どうしてよ?」
絶対と言い切るような言い方。
慎のどこにそんな自信があるっていうのよ?
そう思いながら僅かに目線をずらした瞬間。
お風呂上がりのいい匂いが、石鹸の爽やかな匂いがふわりと鼻をかすめた。
――グイッ
慎があたしの頭の後ろに手を回して引き寄せたから。