【番外編】苺みるくの秘密
「ちょっと……!」
「葉月、聞いて?」
驚いたあたしの顔を真剣に見つめてくる。
……不意討ちをくらうなんてあたしらしくもない。
狭い一室であたしと慎は二人きりでとても近い距離に居る。
「…なによっ」
「バレるわけがないんだよ?」
慎は繰り返し言った。
慎のメガネがあたしの鼻の頭にぶつかって、唇から漏れる掠れたような声にくらりとする。
そして………。
「オレと葉月みたいに真面目な二人が、まさか抱き合っているなんて、誰が思う?」
……ドキンッ。
慎はフリーズするあたしにわざとらしく首を傾げて笑った。
予想すらしていなかった慎の言葉はあたしの顔を赤面させる……。