【番外編】苺みるくの秘密
さっきよりもすっげぇ近くにシイの顔があった。
驚いて目をまん丸にするシイに、今のオレの顔を見られたくねぇって思う。
身体を起こそうとしたその時。
――ガチャッ!
「雅弥ー! オレ忘れ物したんだけ……ど……」
マヌケすぎてバカすぎるコウが部屋に入ってきた。
つーか戻ってきやがった。
しかもこのタイミングで。
「あっーーー! 雅弥! やっぱりシイのこと襲ったんだ!」
指さして騒ぎ始めるコウをぶん殴ってやりてぇ。
やっぱりってなんだよ……。
「これは事故だっつの」
「そ、そうなの! 事故なの!」
ベッドから起き上がるオレを怪しいとでも言いたげに見る。
「所詮、雅弥の理性なんてものは米粒程度だってことがよくわかったよ。もうお説教しないでよね」
コウのクセに生意気だ。
米粒って極端すぎるだろ。