【番外編】苺みるくの秘密
「別にあたしは……」
「そっか。近藤さんも佐久間くんに勉強教えてほしいんでしょ?」
違うんだけど。
「みんな順番だから近藤さんもちゃんと順番守ってね?」
はぁ……?
イライラしたあたしはその場から立ち去ろうとする。
「葉月」
立ち去ろうとしたけど慎があたしを呼ぶから足が止まっちゃったじゃないの……。
「みんなまた今度でいいかな? オレ、大事な約束があるから」
大事な約束……。
って程じゃないけどさ、そんなこと言うからちょっと嬉しいとか思っちゃったじゃない。
女子は「やだー」とか「まだ教えてー」とか言いながら慎のワイシャツを引っ張る。
それを見たあたしの中でブチッと何かがキレた。
「勉強なら担当の先生に聞きなさいよ! 慎ばっか頼らないで!」