【番外編】苺みるくの秘密
やってしまった……。
「ははっ。女子のみんなビックリしてたね? 葉月、キレると怖いから」
図書室に移動してきたあたしと慎は向かい合う形で座った。
さっきのことを慎はクスクス笑いながら参考書を広げる。
「当たり前じゃない。慎に聞けば何でも教えてくれるって思ってるから腹がたったのよ!」
……って、さっきもあんなことを言ったのに、またキツイ言い方をしてしまう。
あたしは可愛くないにも程があるってわかってるのに、黙っていられない。
「葉月は努力家だからね」
「そんな良いもんじゃないけど。でもあの女子、ちっとも学ぼうとしないんだもの!」
またまたやってしまった。
慎がせっかく褒めてくれたっていうのに、なんであたしは素直に喜べないんだろう。
慎は頬杖をついて微かに笑みを浮かべながらヒステリックになるあたしを見る。