【番外編】苺みるくの秘密
「ヤキモチなんだ?」
「はぁ……? か、勘違いよ!」
「なんだ、勘違いか」
そう言って慎はメガネを外した。
素顔を晒す慎の理知的な瞳はまるで別人。
「葉月にヤキモチ妬かれたら嬉しいんだけどね」
「ば、バカじゃないの」
クスリと笑う慎に胸が疼いて、あたしは誤魔化すために参考書を手に取り再び顔の前で開いた。
ドキッ、ドキッ……。
高鳴りは止むことを知らずどんどん増していく。
「ねぇ、葉月」
「今度はなに……!?」
お願いだから今話しかけないで。
声だけであたしの動揺が慎にバレてしまいそうだから。
「参考書、逆さまだよ?」
「……」