【番外編】苺みるくの秘密
「タイミングっていうのかな。色々考えてたけど、やっぱり図書室で葉月と居る時にって思って」
メガネの奥の瞳が夕陽に照らされて光る。
「なんであたしなの? あたし、可愛くないこと言うし……」
「葉月は可愛いよ」
「どこが! 自分でも嫌なくらいなのに……」
いつも可愛くないことを言う自分がとことん嫌だった。
けどせめて慎の前では、慎の瞳には少しでも可愛く映りたかった。
可愛い女でありたかった。
どう接していいかわからなくて、上手く話せなくてキツい言い方ばかりしてしまう。
「オレはね?」
慎はメガネを外してソレを机に置くとあたしの髪の毛に指を通す。
指先から伝わる熱に顔が赤くなっていく気がした。
「ほんとはいつも、葉月を丸裸にしてやりたいと思ってる」
メガネを外した慎の声がやけに艶っぽく響いた。