【番外編】苺みるくの秘密
――バシャンッ!
お湯と一緒に泡が飛び散る。
「ぷっ……」
目を開けた千秋が面白いモノでも見たようにあたしに目を向ける。
「……騙すんなんて酷いよ」
くるっと千秋に背を向けた。
だけどすぐにチャプンッと音がして振り返る。
「ちょっ……!?」
「ん? なんだ?」
千秋が湯船に入ってきたからあたしの心臓が飛び出してしまいそうになる。
「は、は、恥ずかしいからあっち向いてよ!」
「やーだ」
まるでからかう口調。
千秋と一緒にお風呂に入るなんて信じられない。
あたしは泡風呂の中に肩まで浸かっているけど、千秋はお風呂の縁に肘を乗せて上機嫌な様子……。
「もっとこっちにおいで?」
「……やだ! それに、こっち、み、見ないでよ……」