【番外編】苺みるくの秘密


目の前には千秋の顔があって高鳴っていく鼓動を止められない。



「お前の顔、すげぇ熱い」


あたしの腰に腕を回して、もう片方の手は頬に添える。

熱いのはお風呂に入ってるからじゃなくて、千秋の体温を感じているから。

それなのにそんな風に触れられると余計熱くなる。



「や……やめて?」


あまりにも動揺しすぎて力なくそう言うのが限界だった。



「ほんとにやめてほしい?」


千秋の身体がよりいっそう近くなって、吐息とともに吐き出された言葉に耐えられなくなって。

だから意を決してあたしの頬に添えられる千秋の手を恐る恐る掴んだ。



「ほ……ほんとにやめてほしい」

「わかった」


え……?

千秋の手が離れる。

あっさりと答える千秋に驚いて何度も目をパチパチさせた。


………直後。



「なーんてな?」

「へっ!? ぎゃっ……」


イタズラな瞳を向ける。

 

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