【番外編】苺みるくの秘密


あたしが身体を強ばらせるとチャプンッとお湯が揺れた。

泡だらけの湯船の中であたしの背中を這う千秋の手にくすぐったいような痺れるような感覚がして、頭がぼんやりする。



パッと唇が離れてうっすらと目を開ける。

伏し目がちな表情をした千秋が先に口を開いた。



「足りない?」


あたしの後頭部に手を回して、鼻と鼻がぶつかる距離で聞いてくる千秋に心臓が波打つ。

千秋はフルフルと首を振って否定するあたしに追い討ちをかけた。



「もっとしてって言ってみ?」

「ば……バカ……」


全身が火照っていく。

視点が定まらないあたしは千秋を見ずに言った。

もう解放してほしい……。

ドキドキしすぎて変になるから。



「バカ? お前、ほんと生意気」

「……っ!」


チュッ……ってリップ音をわざと響かせてあたしの首筋にキスを落としていく。

 

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