【番外編】苺みるくの秘密
なんてわがままな人なんだろうって思うクセに、胸の甘い疼きは加速していく。
「目逸らすな」
だってどこを見たらいいか本気でわからない。
千秋の白い肌とか泡のついた胸板とか、男の人を感じさせる筋肉とかとても見れないんだよ……。
「もっとオレを見ろよ?」
一秒たりとも目を逸らすことなど許さないと、顔を背けたあたしを強引に自分の方へ向かせた。
「……千秋っ」
泡の中であたしの身体に触れる。
唇は鎖骨の少し下に強く押し当てられて、赤い印を刻んだ。
ついばむキスに全神経がいってしまう。
「やべぇ。歯止めきかねぇかも」
呟かれた低い声はあたしの微かな理性を奪う。
息を荒くして触れることを止めない千秋の肩をギュウッと掴んだ。
もう、どうなってもいい……。