【番外編】苺みるくの秘密
「ぷっ」
そんなあたしを見て急に吹き出す千秋。
……ムカッ!
「な、な、なんで笑うの!」
「いや別に」
そんなにあたしの顔がオカシイわけ?
すると千秋は距離を詰めてきて、あたしの唇に親指で触れながら口を開いた。
「昨日のお前はすげぇ大胆だったのに、今はすげぇ可愛いから」
あ……。
昨日って終業式のことだ。
今日ここに来た時はその話に触れてこなかったクセに。
昨日はほんとに大胆だったかもしれない。
「ね、ねぇ。千秋はなんで今日あたしを呼んだの……?」
「理由がなきゃ呼んじゃダメなのか?」
顔を傾けて逆に聞き返された。
「……じゃあ、もういいもん!」
プイッと顔を背けてやった。
ついでに背中を向けてやった。
千秋がどんな顔をしているかわからないけど、お湯が跳ねる音がして振り返ろうとしたその時……。