【番外編】苺みるくの秘密
中2の夏休みの時に思ったことがある。
もうそん時からアイツは誰よりも存在感があって、ムカつくくれぇに堂々としてた。
ガキの頃から一緒に居るのはオレなのに、いつだって目立つのはアイツばかりで面白くなかった。
アイツの良いとこ真似てみたら、少しは近づけるんじゃねぇかと思ってた情けねぇ中2の夏。
髪色や雰囲気とか口調とか癖とか何を真似しても。
アイツのブラウンの瞳だけは、真似るなんてバカみてぇなことは出来なかった。
アイツの何を真似しても、アイツには近づけなくて、オレはアイツにはなれねぇんだって思った。
そん時、オレは決めたんだ。
アイツが好きになったモノはとことん嫌ってやるって。
それなのにどうしてオレ達は同じ女を好きになったんだ……?
知れば知る程、そばに居れば居る程、アイツにだけは死んでも渡したくないと思った。