【番外編】苺みるくの秘密
「お前が空っぽなバカ女と抱き合ってる時から、オレは椎菜を見てんだよ」
ブラウンの瞳はやっぱり揺らぐことがなくて、その強い瞳でオレにとどめの言葉を吐いた。
「だから雅弥、お前は一生オレには勝てねぇんだよ? 椎菜が好きとか、お前が容易く言うな」
千秋は捨て台詞を吐いてオレの部屋から出て行った。
千秋をズタズタにしてやりてぇと思った。
だけどズタズタにされたのは紛れもなくオレ自身だった。
下心とかそんな薄汚いモノでシイを奪えるなんて到底思ってねぇ。
千秋の言葉を否定出来なかったのは、オレに自信がなかったから。
ずっとシイを見てきた千秋に勝てる自信が、オレにはなかった。