窓の向こう〜笑顔のキミ【短編】
悠斗先輩の逞しい腕と広い胸。
こんなコトされちゃったら、ドキドキしない女の子なんていないよ。



「分かればよろしい。」


そう言うと、悠斗先輩は腕を緩めた。

近づくとドキドキして恥ずかしい。
だけど………。
離れるとすごく寂しい。



「せっかく合宿で行く島の伝説教えてやろうと思ってたのに。」

「伝説!?なんですか?知りたい!!」

「やっぱり。そういうの、好きだと思った。」


悠斗先輩のお日様みたいな二カッとした笑顔が、本物のお日様と重なってキラキラ眩しい。



「島に行ったら教えてやるよ。」

「絶対ですよ?」

ハハって笑いながら、小指を出してきた。
コレって、指きりげんまん?




「今年の合宿は楽しそうだな。」


悠斗先輩は目を細めながら、愛しそうに空を見つめた。




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