窓の向こう〜笑顔のキミ【短編】
アイツの笑顔
「遼、いたのか。」


後ろから声をかけられた。

窓の向こうの2人を見てるのに夢中だった俺は、教室に人が入ってきたのも気づかなかった。
そいつは自分の席に行き、机の中を覗いていた。



「敦史、忘れ物でもしたのか?」

「明日のリーダー、当たるのすっかり忘れててさ。」


そう言うと、机からリーダーの教科書を取り出し、俺に見せてきた。



宮沢敦史。
高校からの友人で、落ち着いたヤツ。
中学からバレーをやってて、いい具合に筋肉がついている。
俺、密かに敦史の体型憧れてんだよなぁ。
背はほぼ一緒なのに、筋肉の差が歴然としている。



「そういえば、試合どうだった?今日バレー部練習試合だったんだろ?」


俺の質問に苦笑いを見せ、一言。



「ボロ負け。」

「嘘だろ?」


ウチの学校のバレー部って、確かそこそこ強かったはずだよな…?


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