My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
――で、今。
なぜか車の中にいて、なぜかマネージャーだと名乗る運転席の人。
「なんか倒れちゃったみたいだから、とりあえずここで休ませてあげてって言われてさ。」
そのマネージャーだと言う人が、続けて話す。
「どなたに?」
「上野さんに決まってんじゃないすか。」
『上野さん』って、あの…
「上野、智也…さん?」
「そーだよ?」
…何言っちゃってんの、この人?
そんなことがあるわけないじゃん。
「きみ、可愛いね。高校生?」
「そうですけど。」
「ふ~ん。」
運転席にいた男の人は、不適な笑みを浮かべて、後部座席に移動してきた。
「ん、何ですか?」
あたしの隣に来て、あたしを見てくる。
何なの…ちょっと気持ち悪い…
「他の人、仕事中だからしばらく誰も来ないんだよね」