My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
みんなを黙らせたのは、美奈ちゃんだった。
「それ、本気で言ってんの?
ほんとのファンなら『高瀬くんの選ぶ子だったら、きっといい子なんだろうな』とか考えるもんでしょ!」
美奈ちゃんの怒鳴る姿は、あまりに珍しくて、みんなで沈黙が続いた。
「それでもファンって言えるわけ?」
「……うん。
そうだよ?だから…ファンだから、嫉妬するんでしょ。
しょうがないじゃん、みんな羨ましいんだよ。
一般人なのに。
女優なら、逆に諦めつくけど…一般人って……
なんか、ずるいよ」
気づかなかった…
ぜんぜん考えてなかった…
「笑佳っ?」
ファンの人の気持ち、ぜんぜん考えてなかった