My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
『笑佳は……ただ逃げてるんだよ』
さっきの美奈ちゃんの言葉が脳裏に浮かんだ。
何も言い返せなかった。
美奈ちゃんの言ったことは、間違ってるようには思えなくて。
あたしは、雄哉くんを好きでいることが、ただ怖いだけなのかな…
寄り道する気分でもないので、まっすぐ家に帰ろうと学校を出たとき。
「笑佳ちゃんっ」
校門前に立っていた女性に、たしかにそう呼ばれた。
「…はい…?」
「久しぶり。」
彼女は、にこっと笑顔を見せた。
あ、前にどこかで見覚えが…
「えっと…覚えてない?
守口です。守口里菜。」