My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~

そのとき、小さな機械音が聞こえた。



振り返ると、少し離れた木のそばで、こっちにデジカメを向けている男が立っている。




もしかして…今……




と思ったと同時に、その男は逃げるようにして走り出した。



「ちょっ!待てよ!!」


雄哉くんが、その後を追いかける。




「えっ、雄哉くん!」


反射的に、あたしも2人を追うけど、だんだん遠ざかる雄哉くん達の姿。




雄哉くんが追いついて、男の腕を掴んだのが見えた。




「お前、写真撮るのが本業じゃねぇだろ。」


腕を掴まれた男は、目も合わせようとせず、ただ黙っている。




「プロなら、デジカメとか使わねぇじゃん」
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