My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
「なんで…」
「なんで?それはこっちの台詞よ。
なんであんたみたいな、ぱっとしない女が雄哉の周りでへらへらしてるわけ?
自分の立場をわきまえなさいよ!!」
な………
「ずっとわかってたの!あんたが雄哉の彼女じゃないことくらい。」
「それはっ」
「第一、あんたみたいな子どもを雄哉が相手にするわけないでしょ?」
「…だけど……雄哉くんはあたしのこと、迷惑じゃないって言ってくれて」
「そんなの、いちいち本気にしてるの?そういうとこが子どもだって言ってんのよ!
あんた邪魔なの!!雄哉の前から消えてよ!?」
里菜……さん………
あまりにはっきり言われて、言葉が出ない。
そんなあたしを、里菜さんは鋭く睨む。
………なんで…
…なんで、こんな人にあたしの想いを否定されなきゃいけないんだろ…
あたしは、ただ…
雄哉くんが好きなだけなのに
「っ何よ?その目…調子のってんじゃないわよっ」
里菜さんが、あたしの頬をめがけて、大きく手を振り上げた。
そのパーがだんだん大きくなっていく。
顔のすぐ横に来たとき、あたしは強く目を瞑った。