My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
…ん…?
少し経っても、叩かれる気配がない。
ゆっくり目を開けると、その手は誰かによって止められていた。
「笑佳ちゃんは誰にも殴らせない。絶対に。」
それは雄哉くんだった。
「雄哉……なんで…」
里菜さんの弱気で消えちゃいそうな声。
「こういうのやめろよ。らしくない。」
雄哉くんが、里菜さんの腕をぱっと放す。
「だって……雄哉がばいばいなんて言うから…」
里菜さんは、泣き崩れてしゃがみこんでしまった。
「お前も早く離せよっ」
雄哉くんが、今度はあたしの腕を掴んでる男を睨んだ。
「は?何だよ。やんのか?」
男は、あたしを放すと、殴りかかろうと、雄哉くんの胸倉を掴んだ。
あっ!――
「やめて!!」