My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
「なんで里菜と会ったの?俺が話すって言ったじゃん」
「…それは…
雄哉くんに任せっぱなしじゃ悪いし……」
雄哉くんは前を見たままで、表情がよく見えない。
「てか、雄哉くんもなんであそこに…?」
「笑佳ちゃんが電話に出ないから、学校まで行ったんだよ。
それで、笑佳ちゃんの友達見つけて、里菜と約束してるって聞いて…」
そこまで言ったとき、雄哉くんがこっちに向き直って、突然あたしを抱きしめた。
え………?
「昨日里菜と会ったとき、何か企んでるような気がしたから……
まじで心配した」
「…………ごめんね…?」
「良かった。無事で」
耳元で囁く声。
雄哉くんの熱い体温が伝わってくる。
心臓の音が体内に響く。
雄哉くんにも、届いちゃうかもしれない。
「俺、笑佳ちゃんのこと好きだよ?」