My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~

――放課後。


「失礼します。」



雄哉くん、仕事の合間にかけてくれたのかな…



そんなことを思いながら、職員室に入り、さっきの先生のとこまで行く。



「先生、携帯返してもらいに来ました。」


ファイルに何かを書き込んでいた手を止めて、先生があたしを見上げた。



「あぁ、川田さん。たしか、そのかごに入れたから、取っていいよ。

あと、その隣に反省文の用紙があるから、それも一緒にね。書き上げるまで帰さないわよー。」



あーあ、やっぱり書かなきゃいけないんだ…



先生の指差した没収BOXと書かれているそのかごから、あたしの携帯を見つけて、それを開いた。



雄哉くんからメールが来てる。





え……





『今日の放課後、空いてる?』




あたしは、すぐに走り出した。





「ちょっと川田さん!?反省文っ――」





後ろで先生の声が聞こえたけど、そのまま急いで学校を出た。



冷静に考えれば、先にメールの返信をした方がいいんだろうけど、




それよりも、無性に雄哉くんに会いたくなった。




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