My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
――そして予定より、15分早く待ち合わせ場所に着いてしまった。
あっ。
黒いジャケットに、スキニーのデニムをブーツINした、タイトなシルエット。
遠くから見てもすぐにわかる。
「雄哉くんっ」
雄哉くんもあたしに気付いて、笑顔で軽く手を振った。
「ごめんね、待った?」
「ううん、今来たとこ。」
なんか今の会話、超恋人って感じっ(←ほんとにそうだけど)。
雄哉くんは、あたしの格好をじっと見た。
「……変…かな?」
「んーん、似合ってるよ。かわいいっ」
か……かわいい!?
雄哉くんって、そんなこと結構さらっと言えちゃうんだ…。
と思ったけど、それよりも雄哉くんに言われたことがすごく嬉しくなった。
「行こっか?」
「うんっ」
雄哉くんが自然と手を差し出して、あたしもその手に自分の手を重ねて、歩き出した。