My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
「あの子ねぇ、お母さんの記憶が正しかったらの話だけど、
歌手の、グループの1人の子にちょっと似てない?」
「え!?」
「んーっと、名前は何ていったかなぁ…」
「や…気のせいでしょ……うん、きっと気のせい…。」
動揺を隠しきれない。
まさか、お母さんの口からそんなこと言われるとは思わなかったし。
これ以上気づかれないよう、あたしは自分の部屋に向かった。
「あれ、笑佳。ハンバーグ作らなくていいの?」
「うん、今日はいいの。」
階段を上って、自分の部屋に入る。
別にお母さんになら隠さなくてもいいのかもしれないけど、言ったところで、雄哉くんのこと、よく知らないだろうし…。
と、そのとき、メール受信を知らせる携帯の音が鳴り響いた。