My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
………一瞬、頭の中が真っ白になった。
胸の辺りを、ものすごい力で強く突き押された気がした。
だけど、きっと実際にそうされるよりも、ずっと痛かった。
「………ぁ…あはは。わかってるよ?大丈夫、謝んないで。」
自分の口角が、ちゃんと上がっていたのかもわからない。
ただ、その場にこれ以上いるのが嫌で。
今すぐにでも、逃げ出したくなって。
そう思う前に、足が走り出していた。
「っ!笑佳!!」