My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
あの女の子のことが、心のどこかでずっともやもやしていて。
あんなこと言っちゃうなら、心配かけたとしてもちゃんと相談すれば良かった。
「見っけ。」
後ろから声がして、あたしが振り返らないうちに、その声の張本人が目の前に現れた。
いつかと同じツインテールで。
「まだ雄哉の彼女でいるの?」
頬を膨らませて、あたしを睨む。
この子が、あの毎日の白い手紙の犯人…?
改めて考えると、決してそんな風には見えなくて。
「わかってるんでしょ?
あたしがあなたにしてること。」
もしかして、あの嫌がらせは人違いなのかなって、そう思ったのもつかの間だった。
その女の子は、突然鞄からハサミを取り出して、その尖ったほうをあたしに向けた。
「ぇ……なに……」
「あたし、本気だよ?
早く雄哉と別れてよ」