My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
「雄哉くん………」
雄哉くんが、あたしを家まで送ってくれると言って、その帰り道。
あの後、その場を偶然通りかかった通行人が警察を呼ぼうとしてたみたいだけど、あたしが必死にそれを止めた。
そんな大きな騒ぎになったら、またマスコミとかが雄哉くんを取り上げるかもしれない。
もうそれだけは避けたかった。
――「あのね、あたし」
「ごめん!!」
再び、雄哉くんの『ごめん』で言葉を遮られた。
「俺、笑佳が嫌がらせにあってるなんて全然知らなかった。
気づいてあげられなくてごめん。」
雄哉くんは、あたし以上に眉を寄せて俯いた。
「違うよ。あたしが悪いの。
ちゃんと相談するべきだったし、それに…」
あたしは、雄哉くんに軽く頭を下げた。
「さっきはごめんなさい。
どっちが大事とか、変な質問しちゃって…」
そう言うと、雄哉くんはあたしの頭を上げさせて、今度は優しく抱きしめた。