My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
―――ピンポーン…
インターフォンを鳴らしても、応答なしに慣れてきたこの頃。
以前、雄哉くんが渡してくれた合い鍵で、誰もいない雄哉くんの部屋に上がった。
あ、また……
昨日着たと思われるTシャツが、ベッドの横に脱ぎ捨てられたままでいる。
他にも、近くにベルトが落ちていたり、部屋着やスウェットが散らばっていたり。
その、床にあった服を洗濯機に入れて、開始ボタンを押した。
その間に、部屋に掃除機をかけていく。
だけど、リビングやキッチンは、一昨日あたしが来たときから、ほとんど使われていなかった。
部屋の様子を見れば、雄哉くんがどれだけ忙しいのかが、すぐに伝わってきた。
きっと、家には寝るだけのために、帰って来てるようなものなんだ。
もしかすると、帰らない日だってあると思う。
そんなに忙しいから、しばらくはあたしが雄哉くんの家のホームキーパーにでもなろうと思い、最近は2日に1度くらい、家にお邪魔してるのだった。