My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
美奈ちゃんと絵梨は、驚いて雄哉くんに圧倒されてる様子。
「あ、えーと、笑佳ならいつでもどーぞ!」
前の質問に、美奈ちゃんがやっとのことで反応した。
「あっそうそう!持ってっちゃって下さい!」
美奈ちゃんに便乗して、絵梨もあたしの背中を押す。
「じゃ、お借りしますっ」
雄哉くんは、あたしの手を引いてそのまま歩き出した。
「え!てか、なんであたしの学校知ってるの!?」
「なんでって、昨日、制服着てたじゃん。たしかあの学校の制服だなーって。」
なるほど。
…じゃなくて!
「…どこ行くの?」
「着いてきてほしいとこがあんの。」
「あたしに!?」
「そうっ」
「あの、仕事は?雄哉くん」
「今日は午後はオフ。」
「そーなんだ…その、あんまアイドルが歩き回らない方が…」
その言葉に、雄哉くんは足を止めてあたしを見てきた。
「…俺といるの、嫌?」
すかさず首を横に振る。
「じゃ着いて来て?」
「うん」
胸の辺りが、妙に熱くなった。