My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
雄哉くんなら…
初めてでも、大丈夫………
…………初めて…?
あたしは雄哉くんを見た。
雄哉くんもあたしを見つめた。
初めてのはずなのに、
この景色、どこか覚えがあって。
その瞬間。
忘れていたはずの奥の方の記憶が、フラッシュバックのように、あたしの頭の中で引き起こされた。
雄哉くんがあたしの唇に、そっと口づけした。
記憶が鮮明に蘇ってくる。
「……笑佳!?」
あたしを見た雄哉くんは、すぐに体を離してあたしを起き上がらせた。
あたしの瞳から、涙が流れていたから。
「ごめん!怖かった?ごめんな…。」
雄哉くんが、あたしの涙を拭ってくれる。
だけど、それ以上に涙が溢れて止まらない。
「怖かったよな。ほんとごめん」