My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
あたしは、雄哉くんの肩に自分の頭を寄せた。
すると雄哉くんは、あたしを優しく抱きしめ、あやすように髪を撫でた。
「大丈夫だよ。もう何もしない」
そう言う雄哉くんに申し訳なくて、
悪いのは、あたしのほうなのに…。
あたしは、ゆっくり首を横に振った。
「…怖くなったんじゃないの。」
その言葉に、雄哉くんは体を少し離して、あたしを見つめた。
「ううん。怖かったけど、雄哉くんと体を重ねることが怖いんじゃなくて………」
口が止まる。
雄哉くんは決して急かさず、あたしの言葉を待った。
「………前の…
…昔のことを思い出しちゃって…」
「昔?」
雄哉くんが呟くように問いかけた。