My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
―――「笑佳、それ、わざと見せてる?」
美奈ちゃんが、あたしの鎖骨あたりを指差して、そんなことを言った。
「えっ?」
すると、おもむろに手鏡を渡され、あたしはそれで自分の鎖骨あたりを見た。
「…あっ…!」
そこには、くっきりと残されたキスマーク。
そっか!
昨日の『笑佳は俺のだって証拠』は、このことだったんだ。
今更、顔が熱くなった。
「気づいてなかったの?」
美奈ちゃんがちょっと半笑いで問いかける。
「うん…」
それが消えないように、そっと触れる。
なんだか嬉しくて。
だけど恥ずかしくて、
それが隠れるように、制服の襟元を寄せた。