My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~

お互いに電話を切って、慌てて雄哉くんの元へと駆け寄る。


雄哉くんも、あたしのほうへ歩いてきた。



「どうしたの!?」


「卒業式だったんでしょ?」


「えっ、うん。」



あたしの質問に、逆に質問を返された。



「笑佳ーっ。写真撮ろー!」


突然、向こうから絵梨があたしを呼んだ。



「あっ!!ごめんっ、後でねーっ」


あたしは、雄哉くんの手を引っ張って、急いで中庭へと移動した。



「気づかれたかなぁ…?」


少し息を切らしながら、雄哉くんを見ると、すでにグラサンをかけていた。


「ありがと。」


雄哉くんは微笑む。




と、そのとき。



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