My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~

「雄哉くん……


高校の卒業式って、泣いた?」



「俺っ?」


雄哉くんが、ちょっとはにかむ。



「どうだったかな…。」


はぐらかす雄哉くん。






泣いたのかな…。




「……第2ボタン、

誰かにあげた?」



「もし、あげてたら?」


再び、逆に質問で返される。





あげたのかな…。




「あたしも欲しかったな」



そんなことを言ってみたら、雄哉くんは笑って、あたしの左手をとった。




「じゃぁ、あげる。」



「…えっ?」




雄哉くんがあたしの手に、小さな丸い何かを握らせる。




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