My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
「それは、今じゃないと駄目なの?」
「……え………?」
先生が顔を上げて、あたしを見る。
注意しなかった。
指輪のこと、見たのに
何も言わなかった。
「今じゃなきゃ駄目なんですね?」
「あ…っ、はい…!」
強く頷いた。
「わかりました。
先生は、あなたとたっぷりお話しました。
もう帰っていいわよ。」
やっ……
「でも、まだっ」
「まだお話していたい?」
うそ………
「…先生っ…」
カリカリしてるとこしか見覚えのなかった先生が、仕方ないという様子で笑顔を零した。
「ありがとうございます!」
すぐに廊下へ出ようとしたとき、先生があたしを呼び止めた。
「川田さん。
あまり校内で外部の方といちゃつかないように。」
「……はいっ」
一礼してから、中庭に走った。