My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
――「雄哉くんっ!」
急いで中庭へ来たものの、見渡しても誰もいない。
雄哉くん……
どこに行っちゃったの…?
その瞬間。
ポケットからメールの着信を知らせる音が聞こえてきた。
携帯を開く。
『あたしら教室、行っとくよ?』
あたしの姿が見当たらないのでメールしたのか、美奈ちゃんからだった。
雄哉くんだと期待してしまったあたしがいて。
「雄哉くん……」
周りを、ぐるりと見回した。
1人、目にとまった。
グラサンをかけて
校門の前。
あたしを待ってくれている
あの姿。
見慣れてしまったその光景に
笑顔が生まれる。
気づけば、雄哉くんの元へ駆け寄っていた。